一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
かわいいなんて、自分には最も似合わない形容詞だと思っていた。でも、自分の中に眠っていた女の部分が目覚めるにつれて、それもいいかなと思いはじめている。
「このまま実花子を抱きたいけど」
――だ、抱く!?
一瞬のうちにそのシーンを勝手に想像して、顔が熱くなる。
出会ってすぐにそんな関係にはなったが、なにしろあの夜の記憶はほとんどない。
「隣に祐介くんもいることだし、今夜はここまでで止めておこう」
もう一度キスを落とすと、拓海は実花子の髪をひと撫でして離れた。
ホッとしている自分も、ガッカリしている自分もどちらも本物だった。