一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
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部活からまだ戻らない祐介に〝ちょっと出かけてくるね〟とメモを残し、二度目になるセレンディピティへ急ぐ。思えば、拓海と待ち合わせをするのははじめてだ。
デート気分でドアを開けると、拓海はすでにカウンターについていた。店内には拓海のほかに二組のカップルがいる。
「いらっしゃいませ」
龍二はこの前同様、渋い声で出迎えてくれた。
「こんばんは」
「また来てくれてうれしいよ」
龍二の社交辞令に軽く微笑みながら、拓海の隣に腰を下ろす。
「祐介くんは?」
「まだ部活から帰って来なくて」
「熱心だね」
拓海とバスケの話をするようになってから、余計に気合が入っている気がする。
「さてと、実花子ちゃんはなににする?」
「えっと……」