一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
拓海の前には、出されたばかりと思しき薄いブルーのカクテルがあった。
この前、作ってもらったのはなんていうカクテルだったか……。頼りない記憶を遡る。
「コスモ……」
「コスモポリタン?」
「はい、それです。それをお願いします」
「了解」
龍二は返事をするとシェーカーの準備をはじめた。
「ところで実花子ちゃん」
「はい」
顔を上げると、龍二がなにやら含ませたような笑みを浮かべる。
「この前とは見た目の雰囲気がずいぶんと変わったね」
「あ、これは……」
はじめてここへ来たときは、パンツルックに化粧っ気のない女だったと思い返す。百八十度変わったとも言える格好に、龍二はなにか言いたそうだ。
「ふたりの間の空気感も違うし」