一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

拓海の前には、出されたばかりと思しき薄いブルーのカクテルがあった。
この前、作ってもらったのはなんていうカクテルだったか……。頼りない記憶を遡る。


「コスモ……」
「コスモポリタン?」
「はい、それです。それをお願いします」
「了解」


龍二は返事をするとシェーカーの準備をはじめた。


「ところで実花子ちゃん」
「はい」


顔を上げると、龍二がなにやら含ませたような笑みを浮かべる。


「この前とは見た目の雰囲気がずいぶんと変わったね」
「あ、これは……」


はじめてここへ来たときは、パンツルックに化粧っ気のない女だったと思い返す。百八十度変わったとも言える格好に、龍二はなにか言いたそうだ。


「ふたりの間の空気感も違うし」
< 229 / 411 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop