一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「もしも事実だった場合、損害賠償とか発生するんですか?」
「そうなるね」
きっと実花子には想像もつかない金額を請求されているのだろう。白鳥たちが話し合わなければならない事態なのだから、よほどのことだ。
「ただ、その買収した企業との間で取り交わした契約書に、著作物が第三者の著作権等の権利を侵害するものではないと表明して保障しているし、もしもそれが違反で買い手、つまりトレンダーズクリエイトに損害が生じた場合は補償する、とあるからね」
「ということは、賠償金はその会社が支払うんですか?」
「もしも著作権侵害が事実ならね」
よかった。拓海が損害を被るわけではなさそうだ。
ホッとしたら、急にお酒がおいしく感じる。二杯、三杯とグラスを空け、四号瓶をさらに注文した。
空きっ腹だったせいか、お酒の周りが今日はやけに早い。あとから焼き鳥をたらふく詰め込んでみても、酔いが遅くなる気配はなかった。
「拓海さんってば、ひどいんれす、白鳥さん」