一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「どうして拓海さんがいるの?」
「どうしてって、ねえちゃんを送ってきてくれたんじゃんか」
「えっ、拓海さんが?」
そういえば一休で拓海の声が聞こえたような気がすると、実花子に頼りない記憶がよみがえる。あれは幻聴ではなく本当に拓海だったのか。
「ったく、ねえちゃんの酒癖の悪さは天下一品だな」
祐介は呆れたように肩をすくめ、拓海に向かって「ごめんね」と謝った。
どうしてあそこに拓海がいたのだろうか。彼の部屋を出るときには追いかけてもくれなかったのに。
「ごめん、実花子」
「え?」
「トラブルのこと、ちゃんと話さなくてごめん。ただ、俺に相応しくないとか、そういうことは言わないでほしい」
そんなことを拓海に直接言った記憶はない。実花子が訝しげに眉根を寄せる。
「俺を白鳥さんだと勘違いしてたみたいだね」
「私、拓海さん本人に愚痴ってたんですか?」
「白鳥さんに呼び出されたんだ」