一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

「やだ……」


白鳥も人が悪い。なにも気づかずに拓海の悪口をぺらぺらとしゃべってしまったではないか。そのうえ自宅まで送らせるなんて。
白鳥が拓海に代わったことにすら気づかないとは、どれだけ飲み過ぎていたのだろうと自己嫌悪にも陥る。


「いろいろとごめんなさい」


実花子が謝る以外にない。穴があったら入りたいとは、このことだ。頭を深く下げたまま上げられなくなる。


「俺のほうこそ、ごめん」


拓海の手が実花子の肩に置かれた。


「俺、ちょっとコンビニ行ってくるわー」


自分は邪魔だと思ったか、祐介は部屋から退散するように出ていった。気が利きすぎる弟だ。
拓海に促されるようにして実花子が顔を上げると、出迎えたのは眉毛がハの字になった拓海の困り顔だった。

それを見た実花子はぐっと言葉に詰まる。後悔の連続だ。
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