一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
仕組まれたデート
「明日、夜の遊園地にでも行かない?」
祐介がそんなことを言い出したのは、そろって夕飯を食べているときのことだった。
二十八歳にもなって、弟と遊園地デート?
突拍子もない提案を祐介がしたのは、きっと実花子を元気づけるためだろう。
拓海に別れを告げられてから二週間弱。吹っ切れたわけではないが、祐介の前で落ち込んだ姿を見せたり、塞ぎ込んだりしてもいないのに。弟なりに気を使っているみたいだ。
「だって、部活は?」
授業が終われば、そのあとは毎日部活だ。三年生も引退し、呑気に休んでいる場合ではないはず。
「明日は顧問が家の都合とかで、部活が休みになったんだよ」
「それなら友達と遊んだらいいじゃない」
なにも、そんな貴重な休みに姉に付き合わなくとも。
「いいじゃん。たまにはねえちゃんと遊んでやるよ」