一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~

突然すぎて、そんな言葉しか用意できなかった。結末が結末だけに、久しぶりの再会はどうしてもぎこちなくなる。


「……そうだね」


いつだって笑顔だった拓海は真顔だ。
言いようのない緊張が体を駆け抜ける。拓海からも困っている様子が伝わってきた。


「あ、あの、ここには誰かと?」


聞かなければよかったと、すぐに後悔した。遊園地なんて女性と一緒でなければ来ないようなところだ。分かっていながら、それを拓海の口から聞くのはまだつらい。自分の軽率さを呪った。


「実花子は?」


拓海は、質問に質問で返してよこした。


「私はその……祐介と」


いっそデートだと言ったほうがよかった。拓海がいなくても平気だと見せたかった。

拓海が実花子の答えに険しい顔をする。
なにかいけないことを言っただろうか。
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