一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


その中でも実花子たちは異色だろう。なにせ別れたばかりなのにデートまがいの行為をしているのだから。

腕を組んだり、手を繋いだりしているカップルとは違い、実花子は拓海から数歩遅れて歩いた。中へ入ったものの、どうしたらいいのかわからず園内をゆっくり散策しているだけ。実花子を誘った拓海自身も困惑しているようだった。


「なにか乗る?」


不意に拓海が振り返る。


「あ……はい、そうですね」


なにかに乗ったほうが、このぎくしゃくした感じを誤魔化せるかもしれない。


「なににする?」


かといってジェットコースターで悲鳴を上げる気分でも、メリーゴーランドでロマンチックに馬にまたがるのも違うような気がする。


「それじゃ、あれにでも……」
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