一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
「――ひゃあ!」
それは突然だった。まったく別次元を飛んでいた意識が強制的に戻される。
気づけば視界は高い天井へ。実花子はフロアに仰向けで倒れていた。
「実花子ちゃん、大丈夫!?」
その場にかがみ込んだ高木は、心配そうに実花子の顔を上から覗き込んだ。
「……はい、なんとか」
「どうしたんだよ、実花子ちゃん」
白鳥まで高木と首を並べる。すぐ近くから四つの瞳が実花子を見下ろした。
「あはは……」
笑って誤魔化すしかない。なにが起きたのかは実花子にもわからないのだ。
べつのほうに意識が向いたまま高木の指導を受けているうちに、なにかの技を掛けられたのか。
「ごめんね、実花子ちゃん」
「いえ。私がボケッとしていただけですから」