一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「そこまで言うなら、取り上げないから安心してください」


思わず笑みがこぼれる。


「それと、もうひとつお願いがあるんだけど」


もう奪われることもないと安心したのか、そのケースをフローリングに置き、拓海が実花子の両肩に手をのせた。


「護身術を習うのは、もうやめてもらえる?」
「え、どうしてですか?」


結構身に付いてきて、なかなかいいい線までいっていると思うのだけれど。よほどのことがない限り、自分で自分の身は守れそうだ。


「さっきみたいにやられたら堪らない」


つい先ほど拓海に技をかけてしまったと思い出した。
たしかに悪いことをしたとは思うけれど……。


「あれは、拓海さんがあんなところで不意を突いて抱きついたりするからです」
「驚かせようと思っただけだ」
「ひと声掛けてから抱きついてください」
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