一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


「泊まりで?」
「みたいです」


実花子は目をキラキラとさせながらシャインマスカットを取り出し、さっと軽く洗った。


「もう食べるのか?」
「だっておいしそうなんだもん。食事の後なんて待ちきれない」


それでこそ実花子だ。ひと粒口に放り込んだ。


「――ん、すごく甘くておいしい。ね、拓海さんも食べてみて」


目を真ん丸にした実花子が、房からもうひと粒ちぎって拓海に差し出す。


「それじゃ、実花子が俺に食べさせて」
「え?」
「口移しで」
「ちょっ、やっ……なに言ってるんですか」


にわかにおろおろしはじめ、実花子が顔を真っ赤にする。そんな仕草もそそるからたまらない。

普段はふたりの寝室以外では極力べったりしないよう心がけ、祐介がいづらくならないように努めているが、彼が不在なら場所を気にする必要はない。
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