一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
あまりにも濃厚な週末のせいで、なにもする気になれなかった。
急いで帰ったあとは祐介を部活へ送り出し、ひたすらベッドでゴロゴロ。精神的疲労は、肉体的疲労より体に堪えるらしい。
ホテルで目覚めた朝、実花子を起こした音は、帰らない彼女を心配した祐介からの着信だった。
「実花子ちゃんがお酒絡みじゃないことで疲れるなんて」
目を見開いてから、千沙がクスクスと笑う。
本当にそのとおりだ。土曜日曜と起きた事態で抱えた悩みは、自分とは無縁だと思っていたのだから。
「お昼休みに聞かせてね?」
実花子の肩をトントンとし、千沙が「仕事頑張ってね」と言い添えて何歩か歩きだしたときだった。この部屋に通じる両開きのドアが大きく開け放たれた。
通るときはたいてい片側のドアの開閉で済ませているため、なにか大きな荷物でも搬入されるのかとみんなが目を向ける。
すると、そこから入ってきたのはメディアテックの社長である岡野だった。
「おはようございます」
みんなが思い思いに立ち上がり挨拶をする。