一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
なんという自信なのだろう。そこまで潔く宣言されると、当事者の立場を忘れて〝あっぱれ!〟と言いそうになる。もちろん耐えたのは言うまでもない。
「だってよ? で、実花子さんはどうなの?」
急に話を振られたのと、マスターに名前で呼ばれたのとで、「え?」と素っ頓狂な声が出た。
「おい龍二、実花子を困らせるなよ」
困らせているのは拓海のほうだと口まで出かかったものの、第三者の見ている前でそこまで言うのも大人げないと留まった。
「それで、なにか注文した?」
実花子の隣に座った椎名が、カウンターになにもないのを見て尋ねる。
「それなら、これで二杯目だ」
グッドタイミングで出されたのは、コスモポリタン二号だ。
「早速二杯目!? さすがは実花子」