一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~


なにがさすがなのかは不明だ。拓海は目を細めて実花子を見た。


「改めて紹介するけど、こっちは間中(まなか)龍二。中学からの腐れ縁なんだ」


知り合いというレベルではない。千沙と実花子よりもっと年季の入った友人だ。


「間中龍二です。よろしく」
「はじめまして、上原実花子です」


頭を下げ合う。

拓海の婚約者でも恋人でもない立場が、なんとも言えない気分の根源だろう。本当にそういう間柄であれば、古くからの友人である龍二ともっと親密になりたいと願うところだ。

でも、拓海と実花子は決してそういう関係ではないし、今後も発展することはない。となると龍二とは、ある程度は一線を引いて接したほうがいいに違いない。

そうしてひとりで勝手に思い悩んでいるうちに、拓海にもカクテルが出された。


「それで、話って?」


乾杯とグラスを傾けた拓海が実花子の目を覗き込む。
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