一夜の艶事からお見合い夫婦営みます~極上社長の強引な求婚宣言~
体を起こすと同時に視界がグラリと揺れた。お酒がかなり回っているようだ。
「随分と飲んだようだから、もう少し俺に寄りかかっていたほうがいい」
拓海が実花子をもう一度引き寄せる。
「いえ、大丈夫ですから」
拒否しようとするが、実花子に突っぱねるほどの力は残っていない。強引に戻された拓海の腕の中で大人しくしているしかなかった。
「それで家はどこ? タクシーに乗ったはいいけど、行き先に困ってる」
そこではじめて自分が乗っているのがタクシーだと気づくとは、今日の実花子はとことんお酒に飲まれすぎだ。行き先も告げずに、セレンディピティの近所をドライブだけしていたらしい。
「俺のマンションに連れて帰ってもいいけど」
「それは困ります!」
ガバっと起き上がり、再び目眩に襲われた。
「だから、こうしてればいいんだって」