鬱なリップクリーム
もしも、
私に愛する人が出来たら変わるのだろうか。
両親によって作り上げられたこの、
身体が、心が、
愛する人たった一人によって理想に近づく事が出来るのだろうか。
それを私は受け入れる事が出来るのだろうか。

朝、汚れた風俗街を歩いていた。
髪型を崩さない無線をつけた人々が外を掃いていた。
空は青い。
私は何色なのだろうか、両親によって私は、
何色に塗られたのだろうか。
どす黒いようなものが心に渦巻いている私にはそれ以外の色があるのだろうか。
幼いときの事はよく覚えていない。
両親に対しての憎しみだけが残っているような気がする。
もうよく分からない。
何も分からない。
自分の事も、誰のことも、全く分からない。

ゴミ箱の隣に座り込んだ。
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