君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「お母さんに挨拶したら、これ、俺にくれたんだ」
海璃はそう言って私に一枚の紙を渡した。

その紙を広げる。

私は見覚えがあった。

「これ、お前が小学生の時に描いた地図なんだろ?かなりアバウトで迷ったよ。俺、スーツだぞ?革靴だぞ?まさかこんな険しい場所とは思わなかった」
海璃はそう言って笑った。

母が海璃に渡したのは、私が小学生の時に描いたこの場所の地図だ。
いつか大切な人ができたら一緒に来たいと思っていた私は、地図に描いたことを思いだした。

完成した地図を、なくさないようにと母に預けていたんだった・・・

「ちゃんと・・・持ってたんだ・・・」
顔をくしゃくしゃにして泣く私を海璃は微笑みながら見つめていた。
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