君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「で?」
「ん?」
海璃は突然、隣に座っている私の顔を覗き込んだ。
かなり近い距離に私は少し上半身を後ろに傾けるほどだ。
「なに?」
「まだなのか?」
「え?」
海璃がさらに距離をつめる。
「・・・」

私には海璃が何のことを言っているかわかる。
でもあえて知らないふりをしてしまうのは、私にとって都合が悪いからだ。

「わかってるくせに」
まっすぐ見つめられて私は視線をそらすにそらせない。

「結婚だよ」
「・・・」
「そろそろ、本格的に俺子供ほしいんだけど?」
その言葉にちくりと胸が痛む。
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