君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
私たちが結婚して1か月がたった。

「明日、出張なんだ。もしかしたら泊まりになるかもしれない」
海璃の言葉に私はベッドに横になったままで答える。
「出張?珍しいね」
「あぁ」
少しぎこちない海璃の声。
「泊まる用意しておく?」
「いや。帰ってから自分でするから大丈夫。」
「そう。わかった」
スーツ姿の海璃。
その顔が寝不足気味だ。
目の下にクマができている。

夕べ、一緒に布団で横になり、私が寝たあと、ベッドを抜け出してリビングで携帯電話を見ていたのを私は知っている。

「じゃあ、行ってくるな」
まるで出張の話を続けたくはないとでもいうように、海璃は話を切り替えて、私の額にキスをした。
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