君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
ヒールのかかとをかつかつと鳴らして、誰よりも早く歩くことが自分の生きがいのようにも感じていた。誰よりも早く先へ進みたくて、必死だった毎日。
立ち止まることなんて知らないくらい、胸を張って前に進んでいた私。

あの頃の自分とはまるで違う今の私。

一日のほとんどをベッドやソファの上で横になって過ごして、誰よりもゆっくりと慎重に歩く。

変わってしまった私を海璃が嫌いになっても…それは仕方ない。
誰も、誰のことも責められない。

もしも、病気になったのが私だったら、私は同じようにできただろうか・・・

いろいろな考えを巡らせながら、私はいつの間にか眠ってしまっていた。


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