君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
手紙を読み終えてから、俺は丁寧に手紙をたたみなおして、もう一度財布にしまった。

京香の俺への想いが詰まったこの手紙。
自分が死んでしまうことを考えて、俺の未来まで想像して書いてくれた手紙。

『パパになる海璃を見たかったな』

生きる奇跡を手に入れた京香。
その京香がずっと望んでいたことだ。

失うかもしれないと覚悟を決めていた命が、今も隣にある奇跡に俺は幸せを感じながらも、常にあの頃の不安を思い出してしまう。

守りにはいってしまう自分。
京香が生きていてくれればそれでいいと無難な道を選びたくなるのはその不安に俺がまだとらわれているからだ。

でも・・・京香の望む未来は・・・?
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