君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「海璃」
弱々しい声で俺を呼ぶ京香に、俺はソファから立ち上がった。
リビングの入り口に寄りかかるように立っている京香の元へ近付く俺。

「何か飲むか?」
俺の言葉に小さく頷く京香。
きっと、京香自身俺になんといえばいいかわからないんだろう。

また迷惑をかけるとか、もしもなにかあったらとか、俺のことばっかりきっと考えて言葉にできないんだ・・・。

俺は京香の肩を抱いてソファに座らせてからキッチンで温かいココアをいれた。

「熱いぞ」
「ありがとう」
京香にカップを渡して、近くに置いてあるブランケットを京香の膝にかける。

俺が京香の隣に座ると、京香はココアを一口飲んでから、テーブルにカップを置いて、俺の肩に自分の頭をのせた。
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