君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
俺は京香の手を一度はなしてから、今度は俺の手が京香の手を包み込むようにして握りなおした。
「でも・・・子供はあきらめる・・・」

言葉に詰まりながら言う京香。


その時、あー俺なんてことを京香に言わせてしまったんだと後悔した。

あまりに辛そうで切ない京香の声。

そうだった。

昔から京香はそうだ。

まっすぐ前を見てひたすら突き進んでいるようで情に厚いやつだった。

自分のことよりも俺のことを考えて、京香は夢をあきらめようとしてるんだ。

「京香」
俺はこれ以上京香に言葉の続きを言わせるわけにはいかないと、言葉を遮った。
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