君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「かせ」
海璃は震えて結果を見られない私に代わって、私が手にしていた検査薬を見た。

一瞬で真剣な顔になった海璃。
私はその海璃の表情を見つめた。

その表情に見る見るうちに笑顔が広がる。

そして、海璃は私の方を見ると、私の体を抱き寄せた。

もう私の顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

「大切にしような。」
「うん」
「守る。この子も、京香も」
「うん」
「大事にしような」
「うん」
私たちはトイレの前でしばらく抱き合っていた。
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