君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「泣きすぎだろ。おいで」
海璃はそう言って私の体を抱きしめてくれた。

まわされた海璃の腕に、自分の腕を絡める。

海璃のぬくもりに包み込まれて、現実を少し忘れられる気がしていた。

私の涙を何度も拭いながら、海璃も真剣に映画を観ている。

私は時々、海璃に気づかれないようにちらりと海璃の顔を見上げた。

この目にやきつけておきたい・・・

海璃のすべてを・・・


忘れないように・・・


この人との未来が欲しかったな・・・
当たり前の未来でいい・・・
ただ生きてさえいれば、そばにいられればそれでいいのに・・・
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