君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「目、腫れてんじゃん」
寝ぐせ頭の海璃がキッチンにいる私を後ろから抱きしめて、顔を覗き込む。
「昨日映画みながらあんなに泣くから」
「でもすっきりした」
「そっか。じゃあ、また泣ける映画みよう。一緒に。」
「うん」
私はこんなに嘘つきだったのかと自分に聞きたくなるほど、次々に海璃に嘘をついていく自分に驚く。
「手伝う」
「うん」
私が作った朝食を海璃がお皿に盛りつけて運んでくれる。

一緒に朝食を食べてから、のんびりと一緒に過ごして、夕方には海璃は自分の部屋へと帰って行った。


その後ろ姿を見送り、玄関の扉を閉めたあと、私は玄関に座り込み、子供のように声を出して泣いた。
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