君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
「あのノートはお前が今まで必死で集めた取引先のデータが書かれてんだろ?簡単にあんな奴に渡せるようなものじゃないだろ?」
「あんな奴って言わないで」
「そこじゃないだろ!」
海璃は感情的に話し続ける。


「今までお前がどんな思いであのノートに情報を書き込んできたか俺はほかの誰よりも知ってる。自分の足で歩き回って、直接取引先の人と会って、話して、何年もかけて信頼関係築いてきたんだろ?」
「・・・」
「新しいつながりに喜ぶお前も、うまくいかなくて悔しがるお前も、見下されて唇かみしめるお前も、俺は誰よりそばで見て来た。」
やばい・・・泣きそうだ・・・。

海璃は怒っているのに。私は怒られているのに、私を海璃がどれだけ見てきてくれたかがわかっているからこそ、泣きそう・・・。
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