君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
海璃はもう、私の名前を呼ばなかった。
追いかけてくることもしなかった。

フロアへ戻ると、後輩が嬉しそうな表情を浮かべながら私の方へ近付いてきた。

「竹内さん、無事に貨物とれました!ありがとうございました」

そう言って後輩は私の手にノートを戻す。

少しくたびれたそのノート。

誰よりも早く歩きたい。1分1秒でもおしいと思いながら必死にためて来た情報がここに詰まっている。

ページを開くとそこには私が勤め始めたころから書いてきた文字がびっしりと並んでいた。


あまりじっくりと見ると泣いちゃうと思った私はノートを閉じて、自分のデスクへ向かった。
< 57 / 309 >

この作品をシェア

pagetop