君をあきらめない ~永遠に続く愛を君に~
私が会社を辞めたことを海璃は知らない。

月曜日にここへきて、私が仕事を辞めたことを知る海璃。

何年も支えてもらったのに、恋人としてだけじゃなく、ライバルとしても仕事のパートナーとしても寄り添ってくれた海璃に、恩を仇で返すような行動に、今から心が痛む。

ごめんね・・・

私はいつもよりもゆっくりと歩いた。
誰よりも早く歩いていた毎日。

ヒールのかかとを鳴らしながら誰よりも早く歩き、誰よりも早く先に進もうとしていた毎日。

でも今は、私を通り越して歩いていく人の背中を見ながら、うらやましく思ってしまう。

そんなに急がなくても、あなたたちは生きていける。
無限に時間があるじゃない・・・。
< 69 / 309 >

この作品をシェア

pagetop