必ず守るから、だから、笑って
助けてくれるのはいつも君だった
長い長い夢を見た。
蒼空と晴葵、いっくんに透理くん、そして四柳くん。
水煉のみんな、パパ、ママ、洛さん。
みんながとても幸せで、なにも危険がない世界で、笑顔が溢れていた。
これが夢だということは分かっていた。
それでも、ずっとここにいたいと心が叫んでいる。
このまま二度と目が覚めなければいいのに。
そうすれば誰も傷つかずに済むから。
周りをじっくりと見回せばピンク色の空に白いふわふわの雲が浮いていて、キラキラとした太陽が辺り一面に広がっている花を照らしていた。
それなのに私の目の前にはこの世界には似合わない真っ黒い壁が立ちはだかっている。
みんなはその壁の向こう側にいるのに、私はこの壁のせいでみんなのところに行くことが出来ない。
それなのにその壁から差し出されている誰のものかも分からない手を無性に触れたくなった。
これは好奇心、という言葉で片付けられるものではなく、触れたい、という願望。