必ず守るから、だから、笑って
にっこりと貼り付けた笑顔を浮かべると、私がそれ以上言う気がないことを悟ったようだった。
「じゃあ代わりに俺も質問していい?」
えぇー…。
そんなの、あの日なんで倒れたんだ、とか、熱があったのにどうして、とか、
なんで先に帰ったんだ、とか、
最悪は、あの男は誰だ、って質問じゃん。
「じゃあ、一個だけね」
「なにそれズルっ!」
「えー、だって勝手にブレザー調べられてるんだもん。それくらい許されるでしょ?」
「うっ。それ言われると辛い」
なににしよう、って言いながら、表情をコロコロ変える晴葵がなんだか可愛くて、
思わず口角が上がる。
半分冗談で言ったのに、真剣にぐるぐると頭を悩ませてる姿は全国トップの総長とは程遠く、それどころか、愛おしさすら感じる。
もう、潔く認めよう。
私は晴葵が好きだ。
どうしようもなく、この人が愛おしい。
君が欲しい、なんてそんな贅沢は言わない。
ただ、君の好きな人と君が結ばれて、永遠に笑顔で幸せにいてくれるのなら、
私はそれでいい。
その相手が私じゃなくても。