必ず守るから、だから、笑って
むしろそれは私じゃない方がいい。
私じゃ晴葵を幸せにすることはできないだろうから。
でも、守ることはできる。
だから、君はどうかそのままでいて。
今度こそ、命に代えても守り抜いて見せるから。
「決めた!!!」
私が決心したと同時に晴葵が叫んだ。
「希愛が抱えてるもの、全部俺にちょうだい」
「…っ」
予想だにしていないその言葉に面を食らった。
なに、それ。
私が何を抱えてるのか知らないのに。
どんなに大きくて汚くて、危険なことを隠しているかも知らないのに。
なんで、そんなに笑顔で、心の底からそんな綺麗な言葉がでるの…っ?
晴葵の優しさに、その笑顔に、言葉に、甘えてしまいそうになる自分がいる。
さっき決心したにもかかわらず、君の言葉は魔法のように私の心を動かす。
「希愛がなんか抱えてるのは知ってるよ。それ、俺にも抱えさせてよ」
”俺たち仲間でしょ?”
こんな私を仲間と言ってくれる綺麗な心の持ち主な君といれば、私も少しは優しくなれるのだろうか。
こんな出会いしたくなかった。
もっと、私が何も知らない平凡な女の子なら、なにも考えずにこの手をとることができたのかな。
「私は晴葵を守りたい。だから言えない」