必ず守るから、だから、笑って
ふわっ
「希愛、だめだよ。俺の大切な子を傷つけないで」
「ぐすっ。は、る……」
晴葵が抱き締めてくれた瞬間、ぷつり、と糸が切れたように涙が溢れだしてしまった。
いいのかな、この手をとってしまっても。
自分をさらけ出してしまってもいいのかな。
1人で抱え込まなくてもいいのかな。
「希愛、俺はずっとそばにいるよ。絶対離れて行かないから。だから俺を頼ってよ」
優しく頭を撫でながら、言う晴葵。
なんで私が不安がっていることが分かるのかな。
「晴葵っ、たす、けてっ…」
「ん。りょーかい。お姫さま」
そう言って晴葵は私のおでこに口づけを落とした。
あぁ、本当に晴葵は王子様みたいだ。
考えれば私は晴葵に助けてもらってばかりだ。
それはもう、出会った瞬間から。