必ず守るから、だから、笑って


まんまと晴葵に甘えてきてしまったよ。



「ひぃぃぃめぇぇえええ!!!!!!会いたかったよぅ!!!!」


ドアを開けた瞬間、いっくんが泣き真似をしながら飛びついてきたせいで、思わず大勢が崩れる。


と思ったところを助けてくれるのはいつも晴葵だ。



「壱星、俺がいなかったら希愛倒れてただろ?あぶねーことすんな」


いや、常にもっと危ないことしてるところのトップがなに言ってんだろう。


そしていっくんもその言葉に反省してしょぼんとしてるのはなんでだろう。



「ひめぇ、ごめんね…?」



「あ、いや、大丈夫だよ。心配かけてごめんね」


ぎゅううっとさらに抱き締めるいっくんにそろそろ限界を感じて背中をポンポン叩く。


私にとってはギブアップの合図だったのだけど、いっくんは何を思ったのかさらに力を強める。


うっ。

可愛い顔してるとは言え、暴走族の、さらには全国トップの副総長だけあるその力に、このまま窒息死しそう、と思うのは決して大げさではないことをわかってほしい。



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