必ず守るから、だから、笑って

「ひめさん、観念して座んな。うちの総長様は独占欲が強いらしい」



「…?」


四柳くんがふっ、と鼻で笑いながら言うけれど、いまいち理解はできなかった。


だけどまぁ、総長命令に近いものなのかな、と観念することにした。



「失礼しまーす…」


いざ座るとなると少し恥ずかしい。


そう思って、立ち上がろうと思ったのだけど、私が座ったと同時に晴葵は後ろからぎゅっと抱きしめてきた。


おかげで身動きが出来ずじまい。



うぅ、いくらなんでもこれは恥ずかしい…。

みんな見てるし…。


四柳くんは相変わらずクスクス笑っているし、いっくんはぶーっと頬を膨らましながら不貞腐れているし、透理くんはいつも真顔な端正な顔を歪ませてこちらを睨んでいる。


どういう状況よ、これ。


羞恥心からか、自分の顔が火照っているのが嫌でもわかる。


「希愛、照れてるの?可愛い」


そんなことを優しい声色で、しかも耳元で囁くものだから、体中が火照ってしまったのは言うまでもない。


~っ、もうっ!
この天然タラシ嫌だっ!


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