必ず守るから、だから、笑って


ただ、その人は無理矢理入れたいほどの逸材らしい。


一気に幹部に上がれるほど強いのかな?
それともすっごく頭のキレる人なのかな?


でも、入りたくなかったということは、もしかしたら人と関わるのが苦手なのかもしれないし、
なにか過去にあったのかもしれない。


慎重に接した方がいいかも。
気をつけないと。


少し静かになった室内に、少しずつこの部屋への階段を上がって来る人がいる気配を感じる。


どこか懐かしく感じるのは気のせいだろうか。
理由はないけれど、なぜか“知っている”気がする。



静かに、ドアが開かれる。


「…よぉ、希愛。久しぶりだな」



「さ、く……?」



その声、その顔、その雰囲気。


全部覚えてる。


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