必ず守るから、だから、笑って


これはっ、蒼空がいつもしていたピアス…。


蒼空がこれ以外のピアスをしてるところを見たことがない。


だから余程大事なものなんだと思う。



手術が終わったら蒼空に渡そう。



だから、目を覚ましてね。




しばらくして、「手術中」のランプが消えた。



「蒼空っ!」



中から出てきたのは碧ちゃん。



「希愛、蒼空くんのご家族の連絡先は知ってるか?」



「ごめん…。知らないや」



「そっか、ありがとう」



「それでっ!?蒼空は!?」



「……っ」



なんで黙るの、碧ちゃん。



蒼空は元気になるんだよね?



碧ちゃんは今からまで何人も治して来たんだもんね?



すごいお医者さんだもんね?



「碧喜さん、俺が聞きます。話してください」


「雲英…。すまん、最善は尽くしたんだが、もうすでに手遅れだった……」



「ご家族の連絡先は学校に聞けば教えてくれるでしょうけど、俺が調べた方が早いと思います。すぐ連絡します」



「悪い。頼んだ」



その間、私は放心状態だった。



つまりはどういうこと……?


蒼空はどうなったの…っ??



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