必ず守るから、だから、笑って
あれ、そもそも蒼空ってなんで撃たれたんだっけ…?
……私か。
私を庇ったせい。
そもそも新堂に恨まれていたのは私だ。
私と関わっているという理由で蒼空は狙われた。
本来ならこんな世界とは程遠いところで平和に過ごしているはずなのに。
私が心を開いてしまったせいで蒼空の人生は狂ってしまった。
私が強ければ蒼空を守れたのかな。
こんな弱いのが総長だなんて笑える。
朔だったら守れたかな。
夕紫なら蒼空が捕まる前に対処してたかな。
景耶なら倉庫入って早々全滅にして無傷で救出してただろうな。
南都なら新堂に蒼空と仲良くしてるなんてこと気づかさせないかな。
私なんかよりみんなの方がよっぽど大切な人を守れるだろうなぁ。
「……朔、ごめん。水煉任せる」
「は?ちょ、おいっ!希愛!!」
ごめん、朔、みんな。
私はもう誰一人失いたくないの。
みんなを守れるくらい強くなりたい。
私がしばらくいなくたって水煉は衰えたりなんてしない。
だって信頼できる強い仲間だらけだから。
そしてその日から、私は笑顔を失った。