いつか、さくらを片手に君に逢いに行くその日まで…
き色〜出会い〜

いったい何分突っ立っていたのだろう。こんな事も分からないくらい私の頭はボーッとしていた。

「キーンコーンカーンコーン」

4時半のチャイムだ。
と思ったと同時に私は

「あっ!!!」

と声を上げ走り出そうとした…その時、
床に置いてあったダンボールに足をとられて、転んでしまったのだ。

こんな所に置いたの誰?と思ったが、そんな事を考えている暇はなかった。何故かって?
なぜなら、転んだ時の音で男の子に気づかれてしまったからである。

「誰?誰かいるの?すごい音したけど、大丈 夫?」

男の子は声を出しながらこちらえと向かってくる。

ダメだ…足を捻ったんだ。歩けない。
とうとう床に落ちたバックをギュッと握りしめた瞬間…見つかってしまったのだ。

「凄い落としたけど大丈夫?て、あっ!!!
足を怪我しちゃってるじゃん。乗って?」

男の子の声は右から左へ流れてしまうくらし透き通っている。頭がフラフラして何も考えられない。とうとうおんぶをされてしまったが、拒否をする力さえも残っていなかった。言われるがままって感じだ。
私は、
「覗いていてごめんなさい。あなたの音があまりにも綺麗だったから…」
と言った。正確には気を失ってしまってそこまでしか、言えなかったのだ。
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