皇女殿下の幸せフェードアウト計画
第六章 それでも私はあきらめない!
「……ここは……?」
「イリス、気が付いたのね!」
「リリスお姉様……?」
ぼんやりとした意識が、ようやくはっきりしてきた。
私の視界に広がる、心配しきった顔の美女、うん、お姉様だ。眼福である。
なんて言っている場合ではない。私の手はがっりちと掴まれていて、体を起こそうにも酷い頭痛がする。
(どうしたんだっけ……そう、フォルセティとダンスをする約束をしたのよね。それから……クローディア様たちが)
最後の記憶を思い起こして、ずきりと頭が痛んだ。
体を起こすのを助けてくれたお姉様が、心配そうに背を摩ってくれる。
「覚えているかしら? 先程中庭を通った時に貴女、気を失って倒れたのよ」
「はい、覚えております。……何があったか、お姉様はもう耳にいたしましたか」
「ええ。父上から聞きました」
「……どう、思われますか」
クローディア様の予言。
私はあんな話を考えたことなんてなかった。というよりも、これはもう『物語』じゃない。私は多分、きっと、この世界の一部分をなんだかよくわかんないけど偶然垣間見たとかそんなんで、転生したからってことはつまり未来を見ていた?
ああうん。よくわからない。
でもそこが問題じゃない。そこについても考えたいけど。
ずきずきと頭が痛む。
「イリス、気が付いたのね!」
「リリスお姉様……?」
ぼんやりとした意識が、ようやくはっきりしてきた。
私の視界に広がる、心配しきった顔の美女、うん、お姉様だ。眼福である。
なんて言っている場合ではない。私の手はがっりちと掴まれていて、体を起こそうにも酷い頭痛がする。
(どうしたんだっけ……そう、フォルセティとダンスをする約束をしたのよね。それから……クローディア様たちが)
最後の記憶を思い起こして、ずきりと頭が痛んだ。
体を起こすのを助けてくれたお姉様が、心配そうに背を摩ってくれる。
「覚えているかしら? 先程中庭を通った時に貴女、気を失って倒れたのよ」
「はい、覚えております。……何があったか、お姉様はもう耳にいたしましたか」
「ええ。父上から聞きました」
「……どう、思われますか」
クローディア様の予言。
私はあんな話を考えたことなんてなかった。というよりも、これはもう『物語』じゃない。私は多分、きっと、この世界の一部分をなんだかよくわかんないけど偶然垣間見たとかそんなんで、転生したからってことはつまり未来を見ていた?
ああうん。よくわからない。
でもそこが問題じゃない。そこについても考えたいけど。
ずきずきと頭が痛む。