瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
恐る恐る横目で見上げた泰輝くんは"してやられた"とでも言いたげな表情で、後頭部を掻いていた。
「じゃあ俺たち行くわ、またなー」
「泰輝くん、柚歌をよろしくー。柚歌!また明日ね♪」
秀くんと那月はニヤニヤと笑ったまま、逃げるように走り去っていく。
「あの二人、どうも嘘っぽいな」
「本当に……」
あっという間に取り残された泰輝くんと私は、段々小さくなっていく共通の敵をしばらく睨んだ。
「……よし、帰ろうか。駅まで送るよ」
短い沈黙の後、それを破ったのは泰輝くんだ。
「泰輝くんのお家、どの辺なんですか?」
「俺の家はここからそんなに遠くないよ、海沿いの方」
彼の親指は、明らかに駅とは違う方角へ向けられていた。
「それじゃ、ここで。私は一人で帰れるので大丈夫です!気にしないでください」
気まずいような申し訳ないような気持ちになって、出来るだけ明るい声色で言ってみせた。
すぐさま解放されるかと思いきや、泰輝くんは意外にも食い下がった。
「柚歌ちゃん放って帰ったら俺、秀と那月ちゃんに怒られちゃうよ。ね、大丈夫だから行こう?」
何度か説得された後で、私はその提案に素直に従うことにした。初対面の彼をこれ以上困らせるような事はしたくなかったのだ。
「じゃあ俺たち行くわ、またなー」
「泰輝くん、柚歌をよろしくー。柚歌!また明日ね♪」
秀くんと那月はニヤニヤと笑ったまま、逃げるように走り去っていく。
「あの二人、どうも嘘っぽいな」
「本当に……」
あっという間に取り残された泰輝くんと私は、段々小さくなっていく共通の敵をしばらく睨んだ。
「……よし、帰ろうか。駅まで送るよ」
短い沈黙の後、それを破ったのは泰輝くんだ。
「泰輝くんのお家、どの辺なんですか?」
「俺の家はここからそんなに遠くないよ、海沿いの方」
彼の親指は、明らかに駅とは違う方角へ向けられていた。
「それじゃ、ここで。私は一人で帰れるので大丈夫です!気にしないでください」
気まずいような申し訳ないような気持ちになって、出来るだけ明るい声色で言ってみせた。
すぐさま解放されるかと思いきや、泰輝くんは意外にも食い下がった。
「柚歌ちゃん放って帰ったら俺、秀と那月ちゃんに怒られちゃうよ。ね、大丈夫だから行こう?」
何度か説得された後で、私はその提案に素直に従うことにした。初対面の彼をこれ以上困らせるような事はしたくなかったのだ。