瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
《第三章》
無くしたままのピース
「柚歌ー!コンビニ行くけどなんかいる?」
玄関で靴を履きながら、健ちゃんが叫んだ。
「タバコ買ってきて。あと、適当にお菓子!」
「甘いの?しょっぱいの?」
「しょっぱいの」
「はいよ」
「ありがと!いってらっしゃい」
私は昨夜から健ちゃんのマンションに入り浸っている。
最近は週末の度にお互いの家を行ったり来たりするのが、すっかり定番になってきた。
高校卒業と同時に就職し、逃げるようにして故郷を出てきたのは、もう四年も前の事。
泰輝が居なくなったあの日から今日まで、私の心と体は別々の時間軸を生きてきた。
過ぎ去ったあの日々に心を置き去りにしたまま、私は泰輝がなれなかった大人になった。
成人式には出席しなかった。
泰輝を追い越して私だけが大人になるなんて、どうしたって受け入れられるはずはなかったのだ。
けれど過ぎて行く時間に逆らう事は出来ず、結局この町が私を大人にさせた。
毎日の残業や月一の飲み会、いつの間にか覚えたタバコ。金曜の夜の満員電車。
色んなことを上手くこなして、私の体はどうにか今を生きている。
玄関で靴を履きながら、健ちゃんが叫んだ。
「タバコ買ってきて。あと、適当にお菓子!」
「甘いの?しょっぱいの?」
「しょっぱいの」
「はいよ」
「ありがと!いってらっしゃい」
私は昨夜から健ちゃんのマンションに入り浸っている。
最近は週末の度にお互いの家を行ったり来たりするのが、すっかり定番になってきた。
高校卒業と同時に就職し、逃げるようにして故郷を出てきたのは、もう四年も前の事。
泰輝が居なくなったあの日から今日まで、私の心と体は別々の時間軸を生きてきた。
過ぎ去ったあの日々に心を置き去りにしたまま、私は泰輝がなれなかった大人になった。
成人式には出席しなかった。
泰輝を追い越して私だけが大人になるなんて、どうしたって受け入れられるはずはなかったのだ。
けれど過ぎて行く時間に逆らう事は出来ず、結局この町が私を大人にさせた。
毎日の残業や月一の飲み会、いつの間にか覚えたタバコ。金曜の夜の満員電車。
色んなことを上手くこなして、私の体はどうにか今を生きている。