瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
「ただいま」
健ちゃんは十分も経たないうちに、レジ袋をぶら下げて帰ってきた。
「おかえり。いくら?」
「ん、いいよ別に。ポテチで良かったか?」
「うん!ありがとう」
彼はガサガサと袋を漁ると、コンソメ味のポテトチップスと雑誌、タバコ二つをテーブルに並べた後ニヤッと笑って、最後には勿体ぶるように缶ビール二本を取り出した。
「あ、昼間から悪いんだー」
「いいんだよ、休みの日くらい。大人の特権てやつ?」
「まぁ、健ちゃんがどうしてもって言うなら付き合うけど」
「別に飲みたくないなら無理しなくていいんだぞ」
「えー嘘うそ!ごめんなさい。飲みます」
「ったく、最初から素直にそう言えばいいんだよ」
健ちゃんはぶつぶつと文句を言いながら、私に缶ビールを一本差し出した。
ベランダに出て二人同時にタバコに火をつけると、健ちゃんは煙に目を細めながら缶ビールのプルタブを開けた。閑静な週末の昼下がりに、炭酸の潔い音が響き渡る。