瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
動き出した時間
「健ちゃんさ、今年も帰省するの?」
「するけど。なんで?」
「私も今年は帰ろうかなと思って」
テレビに釘付けになっていた健ちゃんの視線が、突然私に移される。お客というには寛ぎ過ぎている彼の隣には、もうすっかり彼専用になってしまったキャンパス地のクッションがどっしりと鎮座していた。
「どういう風の吹き回しだよ」
健ちゃんは面白いゴシップでも見つけたかのように渇いた笑いを浮かべて、ソファーに浅く座り直した。
「泰輝の七回忌があるんだって」
私が昨日までそれを少しも知らなかったかのように敢えてさらりと告げてみせると、彼は段違いの無関心さを隠す事も無く「ふーん」と呟いて、またソファーにどさっと身体を預けた。
「それで、行くの?」
「まだ悩んでる」
彼はもう一度「ふーん」とだけ返事をすると、勝手知ったるテーブルの上からテレビのリモコンを選び出し、慣れた手つきで操作した。
「するけど。なんで?」
「私も今年は帰ろうかなと思って」
テレビに釘付けになっていた健ちゃんの視線が、突然私に移される。お客というには寛ぎ過ぎている彼の隣には、もうすっかり彼専用になってしまったキャンパス地のクッションがどっしりと鎮座していた。
「どういう風の吹き回しだよ」
健ちゃんは面白いゴシップでも見つけたかのように渇いた笑いを浮かべて、ソファーに浅く座り直した。
「泰輝の七回忌があるんだって」
私が昨日までそれを少しも知らなかったかのように敢えてさらりと告げてみせると、彼は段違いの無関心さを隠す事も無く「ふーん」と呟いて、またソファーにどさっと身体を預けた。
「それで、行くの?」
「まだ悩んでる」
彼はもう一度「ふーん」とだけ返事をすると、勝手知ったるテーブルの上からテレビのリモコンを選び出し、慣れた手つきで操作した。