瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
「ごちそうさまでした」
食器を片付けようと椅子から立ち上がった時、眉を潜めた母は、私の耳に視線を送っていた。
「ちょっと柚歌!また気持ち悪いピアスして…もう穴だらけじゃないの」
そんな風に言われるのも、まぁ無理はないだろう。
私の左耳で揺れているのは、半ば当てつけのような気持ちで選んだ、母が一番嫌いな生き物なのだ。
母に反発するかわりに増えていった私のピアスホールは、気付けばもう七つにもなっている。
「……まったく、何でこんな子になっちゃったのかしら!」
刺々しい呟きが、勢いよく背中を突き刺した。
私の背中が穴だらけだということには、母は少しも気づいていないらしい。
私はその後も続いていた嫌味に耳を塞いだまま食器を片付け、二階へとんぼがえりした。
部屋の扉を閉めると同時に、ついつい深いため息が漏れ出す。
母から最後に褒められたのはいつだっただろうかと少しだけ考えた後、時間の無駄だと思い直って、私はすぐに考えるのをやめた。
「私ってそんなにダメなのかな?」
本当は自分が一番よく分かっている。
勉強も運動も何をしてもイマイチで、私だってこんな自分が誰よりも嫌いなのだから。
"何でこんな子になっちゃったのかしら"
それだけが、大きな鐘の音のように頭の中で何度も繰り返されていた。
目の前はみるみる滲み始め、耐えられなくなった私は、勉強机の一番上の引き出しに反射的に手を掛けた。
食器を片付けようと椅子から立ち上がった時、眉を潜めた母は、私の耳に視線を送っていた。
「ちょっと柚歌!また気持ち悪いピアスして…もう穴だらけじゃないの」
そんな風に言われるのも、まぁ無理はないだろう。
私の左耳で揺れているのは、半ば当てつけのような気持ちで選んだ、母が一番嫌いな生き物なのだ。
母に反発するかわりに増えていった私のピアスホールは、気付けばもう七つにもなっている。
「……まったく、何でこんな子になっちゃったのかしら!」
刺々しい呟きが、勢いよく背中を突き刺した。
私の背中が穴だらけだということには、母は少しも気づいていないらしい。
私はその後も続いていた嫌味に耳を塞いだまま食器を片付け、二階へとんぼがえりした。
部屋の扉を閉めると同時に、ついつい深いため息が漏れ出す。
母から最後に褒められたのはいつだっただろうかと少しだけ考えた後、時間の無駄だと思い直って、私はすぐに考えるのをやめた。
「私ってそんなにダメなのかな?」
本当は自分が一番よく分かっている。
勉強も運動も何をしてもイマイチで、私だってこんな自分が誰よりも嫌いなのだから。
"何でこんな子になっちゃったのかしら"
それだけが、大きな鐘の音のように頭の中で何度も繰り返されていた。
目の前はみるみる滲み始め、耐えられなくなった私は、勉強机の一番上の引き出しに反射的に手を掛けた。