瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
「渡したいもの?」
慎くんは後部座席の方を手探りすると、茶色い紙袋を私の膝の上にそっと乗せた。
中を覗いてみると、綺麗にラッピングされた小さな箱と、真っ白い封筒が入っている。
"柚歌へ"
突然顔を覗かせた文字に、思わず息を呑んだ。
その几帳面な文字を書く人の事を、私は良く知っていた。
想像してもみなかった過去からの贈り物に、鼓動は途端に速くなる。
「それ、泰輝の部屋にあったんだ。開けてないから中身は分かんないけど、柚歌ちゃんの名前が書いてあったから。柚歌ちゃんに渡す事は、正直悩んだ。親父とお袋には止められたし、柚歌ちゃんにとっていいのかどうかも分かんねぇし……だからもしも負担になったり、柚歌ちゃんの人生に邪魔になるようだったら、処分してくれても構わない。だけど俺は泰輝の代わりに、どうしてもそれを柚歌ちゃんに渡してやりたいと思ったんだ。勝手かもしれないけど、俺はあいつの兄貴だから……ごめんな」
慎くんはそう言って、ようやくシフトレバーに手を掛けた。
慎くんは後部座席の方を手探りすると、茶色い紙袋を私の膝の上にそっと乗せた。
中を覗いてみると、綺麗にラッピングされた小さな箱と、真っ白い封筒が入っている。
"柚歌へ"
突然顔を覗かせた文字に、思わず息を呑んだ。
その几帳面な文字を書く人の事を、私は良く知っていた。
想像してもみなかった過去からの贈り物に、鼓動は途端に速くなる。
「それ、泰輝の部屋にあったんだ。開けてないから中身は分かんないけど、柚歌ちゃんの名前が書いてあったから。柚歌ちゃんに渡す事は、正直悩んだ。親父とお袋には止められたし、柚歌ちゃんにとっていいのかどうかも分かんねぇし……だからもしも負担になったり、柚歌ちゃんの人生に邪魔になるようだったら、処分してくれても構わない。だけど俺は泰輝の代わりに、どうしてもそれを柚歌ちゃんに渡してやりたいと思ったんだ。勝手かもしれないけど、俺はあいつの兄貴だから……ごめんな」
慎くんはそう言って、ようやくシフトレバーに手を掛けた。