瑠璃色の世界で、君に終わらない恋をした。
目の前に広がる砂浜は猫の額程の大きさで、足を進め過ぎれば、あっという間に靴を濡らしてしまいそうだ。
それでも日々の喧騒から一線を画すこの場所には規則的に聞こえる波の音だけが延々と響いていて、なんとも言えない居心地の良さを感じた。
「柚歌ちゃん、食う?どれが好き?」
泰輝くんは持っていたレジ袋からいくつかお菓子を取り出すと、私にもそれを勧めてくれた。
「ありがとう。泰輝くん、ここによく来るの?」
差し出されたスナック菓子をつまみながら、頭に浮かんだ取り留めのない質問を彼に投げかける。
「うん、学校の帰りとか一人になりたい時とか、考え事する時とか、結構よく来るよ。なんか海って落ち着くんだよね」
そう言って波打ち際を見つめる泰輝くんは、とても優しい目をしていた。
彼のカッターシャツが潮風に膨らんだ瞬間、爽やかな夏の匂いが漂った。
いつも那月が纏っている、慣れ親しんだ甘美なそれとはまるで違った男の子らしい香りに、一瞬緊張の糸が張り詰める。
そしてその香りが私にいつかのメールのやりとりを思い出させるのに、あまり時間はかからなかった。
それでも日々の喧騒から一線を画すこの場所には規則的に聞こえる波の音だけが延々と響いていて、なんとも言えない居心地の良さを感じた。
「柚歌ちゃん、食う?どれが好き?」
泰輝くんは持っていたレジ袋からいくつかお菓子を取り出すと、私にもそれを勧めてくれた。
「ありがとう。泰輝くん、ここによく来るの?」
差し出されたスナック菓子をつまみながら、頭に浮かんだ取り留めのない質問を彼に投げかける。
「うん、学校の帰りとか一人になりたい時とか、考え事する時とか、結構よく来るよ。なんか海って落ち着くんだよね」
そう言って波打ち際を見つめる泰輝くんは、とても優しい目をしていた。
彼のカッターシャツが潮風に膨らんだ瞬間、爽やかな夏の匂いが漂った。
いつも那月が纏っている、慣れ親しんだ甘美なそれとはまるで違った男の子らしい香りに、一瞬緊張の糸が張り詰める。
そしてその香りが私にいつかのメールのやりとりを思い出させるのに、あまり時間はかからなかった。