極甘ストロベリィ
理想-謙吾side-
2年になったからって何が変わるわけでもないだろう
そう考えてた。
ただ、ひとつ学年が増えるだけ。
でも、俺が目を覚ましたときにいた彼女……佳世ちゃんのおかげで楽しみが増えたんだ。
「んー……ねむっ…」
「爆睡してたくせに……」
始業式から約一ヶ月たった。
授業が終わり……って言っても、俺はずっと寝てたけど。
独り言を言っていると、教科書を直していた佳世ちゃんが呆れ顔で言ってきた。
「佳世ちゃん、俺のこと見てたのっ?」
「目に入るだけっ!!」
俺がからかうと、プイッと窓を見てしまう。
それが可笑しくて、笑っていると今度はムスッとこちらを見てくる。
「何が可笑しいのっ!!?」
「別にー?佳世ちゃんは可愛いなーって」
「へ?かっ、可愛い!!?」
そう言った途端、顔を赤くする。
そんなことないって言いながら。
俺としちゃ、バッチリ可愛いんだけどね、顔も性格も。