極甘ストロベリィ

……堤くんの家…

えぇっ!!!!?




「ちょ、え、や、へ!!?」



「ふたりきりになるには手っ取り早いでしょ」




そういう問題!?

あっけらかんと言い放つ堤くんに、私はどうすることもできない。

結局は家の中に入るしかないのだ。







「お邪魔しま~す……」



「は~い。これ、スリッパね」



「ありがと……」




堤くんに差し出されたスリッパを履きながら、私はキョロキョロ辺りを見渡す。

なんていうか、綺麗な家。

玄関には、よくわかんないけど絵が飾ってある。


と、風に乗ってなにか匂いがしてきた。

美味しそうな香りだ。




「お母さんとかいるの?」



「今?」



「うんっ」



「いや、今は両親ともいないはずだけど……」




堤くんも匂いに気付いたのか、語尾が濁る。

そしてふたりで恐る恐る台所へ近づいていく。

近づけば近づくほど強まる匂いに、誰かが台所にいることに確信が持ててきた。


そして、台所へ入った瞬間―――

目に入ったのは、綺麗な金色の頭。

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